値下げは慎重に!

049 「競合の価格」「値下げに対する考え方」

インターネットで物件情報を調べられる事で、周辺の物件情報を簡単に知る事ができます。
「近所で似たような物件が少し安く売っている」
といった情報も昔はわかりませんでしたから、便利な世の中になりました。

さて、突然ですが質問です。
近日中にご自宅であるマンションの1室について、売却活動を開始予定です。
しかし、同じマンション内で面積や間取りなどの条件がよく似た物件が、既に2件販売中でした。
1件は2,900万円、もう1件は2,650万円です。
ご自宅の売却価格はいくらに設定されますか?

既に売却を検討されているわけですから、恐らく事前に査定価格の提示を受けていることと思います。
本来であれば、査定価格を基に適正な価格を検討するのが通常ではありますが、質問のようなケースですと、そうはいきません。
査定価格うんぬんではなく、「販売中の2件と比較してどのくらいの立ち位置で出すか」という方が重要になってくるためです。

買主様目線で一度考えて頂けるとわかりやすくなると思います。
同じマンション内に似たような部屋が3件あれば、基本的には全てを候補として見比べるはずです。
そして、お部屋のコンディションと価格を加味して最終候補を選んでいくわけです。

となれば、他の2部屋と比べて明らかに優れていれば3,000万円をつけてもいいでしょうし、反対に劣る場合には2,500万円ほどにしなければならないかもしれません。
または、コンディションは関係なく、至急の売却であれば2,480万円など割安感を演出する必要が出てくるでしょう。
つまり、競合との比較が優先され、査定価格は一旦意味が薄れてしまうのです。

こうした場合、査定価格は一旦置いておき、どのような売り方をするのか、不動産会社と協議する必要があります。
他のお部屋のコンディションはどうなのか、ご自宅の売却は急ぐのか、気長にいくのかなど、前提条件をすり合わせて相談を進めていきます。

急ぎでなければ、一旦は強気の価格で出しておき、追々に値下げを検討するといった方法も可能です。
大切なのは一度価格を出したら、基本的に値上げはできなくなることです。
他のお部屋が先に売れてしまえば、その後は競合の無い状態で販売が可能になります。
時間があるのであれば、他の部屋がなくなった後も見据えた作戦をとることもできるのです。

ちなみに、当然ながら値下げは慎重に検討する必要があります。
不動産会社の中には、無暗に値下げを提案してくるような業者も存在していますので、注意が必要です。
「しばらく活動しましたが引き合いがないので下げましょう」と平気で行ってくる担当者さんが少なくないのです。
しかし、その「活動」は十分なものだったでしょうか?
チラシはちゃんとまいたでしょうか?
ウェブサイトには見栄えの良い写真をたくさん載せていますか?
自社サイトだけでなく、大手サイトや他社サイトも駆使して広告はしているでしょうか?
価格を下げなければならないときはあります。
しかしそれは「やるべきことをやってから」または「期限が到来したら」のどちらかが基本です。

専属専任媒介をした場合は1週間に1回、専任媒介契約は2週間に1回、不動産会社から報告書が来ているはずです。
値下げを提案された場合は、それを今一度見返してみてください。
報告書から努力が読み取れるのであれば、値下げには一考の価値があります。
しかし、そうでないのであれば安易に下げてはいけません。

それなのに執拗に値下げを迫ってくるような担当者も中にはいますので、そうした場合は媒介契約の解消も選択肢の一つになると思います。